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開業医が知っておくべき診療報酬とは?収益を上げる方法は?

開業医が知っておくべき診療報酬とは?収益を上げる方法は?

“診療報酬”という言葉を、耳にしたことはありませんか?
これは開業医が収益を上げるうえで必ず知っておくべき仕組みですが、きちんと理解できていない方もいらっしゃるでしょう。

そこで本記事では、診療報酬がどのようなものなのかを、開業医が収入を増やす方法とともに詳しくお伝えします。
「これから開業医として働いて、成功を収めたい」とお考えの方は、ぜひ最後までご覧ください。

開業医が押さえておきたい診療報酬とは?

診療報酬とは、診療や治療などの保険医療サービスの対価として、公的医療保険から支払われる報酬のことです。
これは医療機関の主な収入源であり、医療保険制度を通じて患者さんが支払う“自己負担”と、健康保険組合などの保険者から支払われる“公的負担”によって成り立っています。

診療報酬では、初診料や再診料、手術料などの項目ごとに点数が定められており、1点につき10円として計算されます。
たとえば初診料は291点と定められているため、新規の患者さんを診療すると2,910円が診療報酬として支払われる、といった具合です。

各保険医療サービスの点数は厚生労働省の公式ホームページに記載されていますので、そちらをご確認ください。

参照元:厚生労働省「医科診療報酬点数表【令和6年10月1日施行】p1」

診療報酬の支払い方式

診療報酬の支払い方式は、次の2種類に分けられます。

診療報酬の支払い方式
出来高払い制
医療行為ごとの点数に応じて報酬が支払われる
包括払い制
患者さんの病名や症状、治療内容に基づいて定額の報酬が支払われる

出来高払い制では、前述の点数をもとに、保険医療サービスを積み上げて計算した分だけ診療報酬を受け取れます。
現在の日本では、この方式が主流です。

一方、包括払い制は病名と保険医療サービスの組み合わせによって定められている“診断群分類”に応じて、1日あたりの定額の診療報酬が支払われる方式です。
一部の外来診療や入院治療では、過剰な医療提供を防ぐ目的でこの支払い方式が採用されることがあります。

開業医の平均年収

続いて、開業医の平均年収に関する2つの情報をお伝えします。
開業医として働き、生計を立てていくイメージを掴むためにお役立てください。

 

開業医と勤務医の年収の差について詳しく知りたい方はこちら
関連記事:開業医の平均年収は?勤務医との年収の差はどのくらい?

勤務医との年収の差

厚生労働省の調査によると、開業医の平均年収は約2,500万円となっています。
これは同年の勤務医の平均年収である1,500万円と比べて、約1.7倍の金額です。

詳しくは後述しますが、診療報酬の取り分が多いことや、自身の裁量で診療の方針を決められる点などが、勤務医の2倍近い平均年収の要因といえます。

参照元:厚生労働省「勤務医の給料」と「開業医の収支差額」について

診療科ごとに年収は異なる?

開業医の年収は、診療科によって大きく異なります。
厚生労働省が2023年に公開したデータによると、各診療科の平均年収は次の通りです。

開業医の診療科ごとの平均年収
診療科
平均年収
内科
約2,900万円
整形外科
約2,800万円
精神科
約2,100万円

内科と整形外科の平均年収は、いずれも高水準となっています。
これは患者数が多く、ほかの診療科よりも勤務時間が長い傾向にあるからです。

一方、精神科の平均年収が前述の2つの診療科と比べてやや低くなっている要因としては、緊急性が低い診療科であることが挙げられます。
くわえて問診やカウンセリング、薬物療法など、比較的低コストの治療を主軸としているため、診療報酬が低く設定されていることも一因です。

参照元:厚生労働省「第24回医療経済実態調査(医療機関等調査)報告(令和5年実施)p149~151」

開業医の年収を変動させる要因

診療科のほかにも、開業医の年収を左右する要素があります。
ここでは代表的な2つの要素をご紹介しますので、それぞれご確認ください。

要因①クリニックを開業する地域

どの地域にクリニックを開業するのかによって、開業医の年収は変動します。

一般的に、大都市圏よりも地方で働く開業医の方が、年収が高いといわれています。
競合が少なく、患者さんが1つのクリニックに集まる傾向があり、収益を上げやすいからです。

また、地方は大都市圏に比べて家賃や人件費、クリニックの経営に関する諸費用が安く済むのも特徴です。
診療報酬の点数はどの地域でも共通のため、支出が少ない地方の開業医は、手元により多くの収益を残せます。

 

要因②開業する年齢

クリニックを開業する際の年齢も、開業医の年収を左右する要因の一つです。

開業医の平均年収は、年齢を重ねるごとに高くなる傾向にあります。
その理由としては、患者さんのニーズに合わせて診療体制を整えたり、経営方針を変えたりといった機転が利くようになることが挙げられます。
くわえて、勤務医時代に培った医師としての経験が年齢を重ねるにつれて磨かれ、多くの患者さんに選ばれやすくなる点も、年収が高くなる要因といえるでしょう。

なお、日本医師会が2009年に行った調査では、開業医の新規開業時の平均年齢は41.3歳という結果になっています。
「勤務医として10年ほどキャリアを積んで、資金が十分に集まってから開業したい」と考える医師が多いため、このような結果になったと推察されています。

参照元:日本医師会「開業動機と開業医(開設者)の実情に関するアンケート調査(2009年9月)p3」

開業医として働くメリット

以上を踏まえて、ここでは開業医として働く3つのメリットをご紹介します。
クリニックの開業を検討している方は、ぜひ参考にしてください。

メリット①思い描いた医療現場を実現できる

自身の裁量で理想の医療現場をつくり上げられる点は、開業医として働く大きなメリットです。

医師を長いあいだ続けていると、「自分のスタイルで患者さんと向き合いたい」と考えることもあるのではないでしょうか。
しかし、勤務医の場合は所属している医療施設の方針に従わなければならないため、思い通りの診療はなかなかできないものです。

その点、開業医なら患者さんとの接し方や診療の方針を自由に決められます。
自らが思い描いた医療現場で、勤務医時代には実現できなかった理想の医療を提供できるようになるのです。

メリット②高収入を狙える

高収入を目指せることも、開業医のメリットとして挙げられます。

先ほどもお伝えした通り、開業医の年収は勤務医に比べて高い傾向にあります。
診療報酬の取り分が多く、患者数の増加が収入に直接反映されるからです。

自身の努力次第で収入を上げられるため、モチベーションを高く保てるでしょう。

クリニック開業での利益率についての関連記事はこちら
関連記事:クリニックの利益率はどのくらい?経営に役立つ指標も解説

メリット③ストレスを軽減できる

業務上のストレスが減少する点も、開業医のメリットの一つです。

医師のような多くの人と関わる職業の方は、人間関係でストレスを抱えてしまいがちです。
特に勤務医は多くの患者さんを担当しつつ、同僚や上司など院内の人間関係にも気を使う必要があるので、ストレスが溜まりやすいといえます。

一方、開業医はともに働くスタッフの採用を自身で担うことが可能です。
人間関係に起因するストレスが完全になくなるわけではないものの、考え方や気質が自分と似ているスタッフを採用すれば、快適な職場環境が実現するはずです。
また、開業医は院内でもっとも上の立場であるため、少なくとも上司との人間関係で悩むことはなくなります。

開業医として働くデメリット

開業医には多くのメリットがある反面、理解しておくべきデメリットも存在します。
「こんなはずではなかった……」と後悔しないためにも、以下の3つのデメリットを押さえておきましょう。

デメリット①経営のリスクが高まる

経営に関するリスクが大きい点は、開業医のデメリットです。

開業医は集患できれば高収入を得られるものの、患者数が少ないと収入が不安定になってしまいます。
また多額の借金を背負ったり、経営が赤字になったりする可能性も考えられます。

経営状況の悪化は、自身はもちろんスタッフの士気にも影響するため、経営を続けられるかどうかを開業前にきちんと検討しなければなりません。

デメリット②大きな責任が生じる

一つひとつの業務に大きな責任が伴う点も、開業医のデメリットといえます。

開業医はクリニックの経営者であり、院内の最高責任者です。
そのため勤務医とは異なり、診療のトラブルやスタッフのミスはすべて開業医の責任となります。
トラブルやミスが続くと、悪い口コミが拡がって患者さんが離れてしまうかもしれません。

そのような事態を未然に防ぐには、業務マニュアルの整備や患者さんの満足度の向上に努めることが重要です。

デメリット③幅広い業務に対応する必要がある

医療行為以外のクリニック経営全般に関する業務が増えることも、開業医として働くデメリットの一つです。

開業医は患者さんの診察や治療と同時に、収支の確認やスタッフの指導などの業務も行う必要があります。
勤務医に比べると対応しなければならない業務の幅が広がるので、勤務時間が長くなり、私生活にシワ寄せが及ぶ可能性も考えられます。

「こんなはずではなかった……」と後悔しないよう、自身が無理なく経営できる規模感のクリニックを開業しましょう。

開業医の収入を増やすためのポイント

最後に、開業医が収入を増やすために押さえておきたいポイントをお伝えします。
ここでは5つのポイントをご紹介しますので、それぞれ確認していきましょう。

ポイント①集患対策に力を入れる

より多くの患者さんをクリニックに集めれば、診療報酬がその分支払われるので、開業医は収入を増やせます。

具体的な集患対策としては、広告や宣伝によって認知度を上げることや、質の高いサービスで患者さんの満足度を高めることなどが挙げられます。
一人でも多くの患者さんをクリニックに呼び込むためにも、周辺地域に住む患者さんのニーズを把握して適切な訴求を行いたいところです。

ポイント②クリニックの立地を最適化する

クリニックの立地を工夫することも、開業医が収入を増やすポイントの一つです。
診療科やターゲットとなる層に合わせて、好立地でクリニックを開業すれば、多くの患者さんを集められるでしょう。

ただし、好立地であればあるほど相応の初期費用が必要となります。
大きな費用対効果が期待できるかどうかを考慮して、クリニックの立地を検討することが大切です。

クリニック開業時の立地の選び方に迷っている人はこちら
関連記事:クリニックを開業する際の立地はどのように選べばよい?

ポイント③ほかの施設との連携を強化する

周辺の病院やクリニックとの連携を強化することも、開業医が収入を増やすポイントとして挙げられます。
周辺の医療施設と患者さんを相互に紹介する仕組みを構築できれば、集患対策に寄与し、満足度の高い医療環境の提供にもつながります。
それが、結果的にクリニックの収益向上に貢献するのです。

ポイント④コスト管理を徹底する

開業医が収入を増やすには、さまざまなコスト管理を徹底することも重要です。

たとえば予約システムを導入すれば、事務スタッフの業務が効率化され、増収につながるほかの業務にリソースを割けるようになります。
また電子カルテシステムなら、情報収集の手間が省けるだけでなく、ペーパーレス化によってコピー用紙代を削減できます。

このように、業務の効率化を図りつつコストを削減することで、結果として収入の増加が叶うわけです。

ポイント⑤自由診療を導入する

開業医が収入を増やしたいのであれば、自由診療を導入するのも一つの手です。

自由診療とは、公的な医療保険が適用されない診療のことです。
具体的には、眼科のレーシック手術や、美容皮膚科のレーザー治療などが自由診療に該当します。
これらは医療保険の適応外であり、治療費が高額になりやすいので、クリニックに支払われる報酬も多くなります。

自由診療は高額ではあるものの、一定の需要があるため、集患対策の一環として取り入れてみてはいかがでしょうか。

開業医の収入は診療報酬に大きく左右される!いくつかのポイントを押さえて収益を上げよう

今回は、診療報酬について、開業医が収益を上げる方法とともにお伝えしました。

診療報酬とは、保険医療サービスの対価として、公的医療保険から支払われる報酬のことです。
保険医療サービスごとに点数が定められており、1点につき10円がサービスを提供したクリニックに支払われます。
集患対策やコスト管理を徹底して、収入を少しでも上げられるように努めましょう。

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監修者

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