こうした万が一のリスクに備えるためには、保険に加入しておくことが重要です。
本記事では、開業医が加入したほうがよい民間保険について解説します。
記事後半では、開業医が加入できる公的保険の“医師国保”についても紹介しますので、最後までご覧ください。
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開業医が加入を検討すべき保険
それではさっそく、クリニックを開業する際に加入を検討したほうがよい保険を紹介していきます。
開業医を待ち受けるさまざまなリスクに備えるために、以下の5つの保険に加入することを考えましょう。
【開業医が加入を検討すべき保険】
- 生命保険(死亡保険)
- 火災保険
- 所得補償保険
- 医師賠償責任保険
- 団体信用生命保険
生命保険(死亡保険)
すでに加入している方も多いかもしれませんが、その場合にも今一度見直してほしいのが生命保険(死亡保険)です。
生命保険は、被保険者が死亡した場合や所定の高度障害になった場合に保険金が支払われる保険です。
開業医の場合、遺族の生活だけでなく、事業で借り入れたお金の返済やクリニック廃業の清算などにも費用がかかるため、勤務医よりも必要な保障額は高くなるでしょう。
貯蓄額や借入金の残高なども踏まえながら、保障額や保険期間(保証会社が契約に対して保障を提供する期間)が十分なのか再度確認することが大切です。
火災保険
クリニックを安心して運営していくために、欠かせない保険の一つが火災保険です。
火災保険に加入することで、火災や落雷、風水害、盗難などによる経済的リスクに備えられます。
セットで地震保険に加入しておけば、地震を原因とする火災にも対応可能です。
クリニック開業においては、休業損害補償の特約がついている火災保険を選ぶことをおすすめします。
その理由は、災害に見舞われて休診せざるをえなくなった際も、スタッフの給与や家賃の支払いに対応しなければならないためです。
休業損害補償があれば、これらの支払いに必要な費用を一部まかなうことができます。
所得補償保険
所得補償保険は、医師が病気や怪我によって療養をする際に、その期間の収入減をカバーする保険です。
開業医の場合、ご自身が病に倒れたときに収入がなくなってしまうので、自身の生活やクリニックを維持することを目的に加入する方が多くいらっしゃいます。
所得補償保険の保険期間は、1年更新が中心で短期契約がほとんどです。
より長期間働けなくなることに備えたい場合には、同じような趣旨で保険期間が10年程度の商品もある“就業不能保険”もあわせて検討するとよいでしょう。
医師賠償責任保険
勤務医のときも、ご自身で医師賠償責任保険に加入していた方も多いのではないでしょうか?
クリニックを開業する際には、より保障範囲の広い開業医向けの医師賠償責任保険に加入し直すことを強くおすすめします。
開業医向けの医師賠償責任保険では、医師本人だけでなく、ほかのスタッフが医療行為で事故を起こしてしまった場合の損害賠償金や弁護士費用もカバーできます。
医師会や医療関係団体などから多岐にわたる商品が用意されているので、診療科目や過去の事例なども踏まえて、自身のクリニックに適したものを選びましょう。
団体信用生命保険
団体信用生命保険は、クリニックの開業資金や医療機器の導入費用として金融機関から融資を受ける際に、借入金によく付帯されることが多い保険です。
加入者に万が一のことがあった場合に、保険会社が肩代わりして残りのローンを完済する
保険で、遺族が借入金を背負うリスクを軽減できます。
団体信用生命保険に加入する際は、金利や返済年数だけでなく、保障内容も比較しながら選ぶことが重要です。
開業医が備えたいリスク
ここで改めて、クリニックを開業する際に備えなければならないリスクを整理しておきましょう。
それぞれのリスクに対し、どのような保険に加入すべきかをきちんと判断するための参考にしてください。
【開業医が備えたいリスク】
- リスク①病気や怪我で就労できなくなる
- リスク②災害で診療が不可能になる
- リスク③借金を返済できなくなる
- リスク④医療事故で訴訟になる
リスク①病気や怪我で就労できなくなる
クリニック開業にあたって、まず考えるべきは、医師本人が病気や怪我に見舞われた際への備えです。
長期間診療できなくなると、売上が立たないまま家賃やリース料、スタッフの給与などの固定費の支払いが継続するため、資金繰りが一気に悪化するおそれがあります。
このリスクに備えるためには、所得補償保険に加入しておくことが大切です。
リスク②災害で診療が不可能になる
火災や落雷、水害などの自然災害により、クリニックで一時的に診療できなくなることも考えられます。
医師が病気や怪我をした場合と同様に、診療が止まって収入が減少しても、固定費は支払いつづけなくてはなりません。
休業明け後にクリニックで再び診察できるようにするためには、復旧工事や新たな設備の購入が必要となる可能性もあります。
これらに対しては、火災保険や特約の休業損害補償などを通じて、災害による損失をカバーできる体制を整えておくと安心です。
リスク③借金を返済できなくなる
開業時には、内装工事費や医療機器の導入費などのために、まとまった資金を借り入れるケースが一般的です。
しかし、売上の伸び悩みや想定外のトラブルによって、返済がままならなくなってしまうケースも想定しておく必要があります。
仮に医師本人に万が一のことがあった場合、残った借入金の返済責任を、遺族に負わせることになりかねません。
生命保険(死亡保険)や団体信用生命保険に加入し、万一の場合にも借入金が家族の重荷にならないよう準備しておきましょう。
リスク④医療事故で訴訟になる
医療行為にはリスクが常に伴うものです。
診療ガイドラインや説明義務をしっかり守っていたとしても、患者さんにとって思わしくない結果となった場合に、訴訟へと発展する可能性はゼロではありません。
もしも訴訟に敗訴して、高額な損害賠償を命じられたら、自己資金ではまかなえず、クリニックの経営が成り立たなくなることも考えられます。
こうしたリスクに備えられるよう、医師賠償責任保険に加入し、損害賠償金や弁護士費用を補填できる体制を整えておきたいものです。
開業医が保険に加入する際の注意点
クリニック開業で保険を選ぶ際は、経営の負担にならないよう加入する保険を厳選することが大切です。
あらゆるリスクに備えようと手厚い保障内容の保険を多数契約すると、月々の保険料が膨らみ、かえって経営を圧迫する原因になりかねません。
保険ごとに“何に備えるために加入するのか?”を明確化したうえで商品を選び、ほかの保険と保障内容が被らないようにすることが費用最適化につながります。
また、開業から数年が経つと、クリニックの収支状況や従業員数など、経営状況に変化が生じます。
そのため、一度加入したら終わりにするのではなく、保障内容と保険料のバランスを定期的に見直しましょう。
保険の選定や見直しの判断が難しい場合には、税理士や保険の専門家に相談しながら決めることをおすすめします。
医師国保とは?
最後に、これまでの民間保険とは異なりますが、クリニック開業で加入を検討できる公的保険として、医師国保(医師国民健康保険組合)について紹介します。
医師国保は、各地域の医師会が運営する、医師とその家族や従業員のための医療保険制度です。
協会けんぽとは別枠で運営されており、保険料や給付内容も医師会ごとに独自のルールが定められています。
医師国保は多くの場合、所得にかかわらず保険料がほぼ一定額に設定されている点が特徴です。
協会けんぽのように所得に応じて保険料が変動することがないため、所得が高い開業医としては負担を抑えやすいというメリットがあります。
ただし、医師国保に加入できるのは、原則として従業員が5人未満の場合に限られます。
従業員が5人以上いるクリニックの場合は、協会けんぽなどの健康保険への加入が義務づけられているため、医師国保を選択できません。
クリニックを小規模から始める場合は、医師国保への加入を選択肢に入れておくとよいでしょう。
クリニック開業ではさまざまなリスクに備えるために複数の保険に加入することが大切
開業医になる場合は、クリニックの閉業や従業員の医療事故などさまざまなリスクに備えて保険に加入しておくことが大切です。
たとえば、生命保険(死亡保険)に加入しておけば、医師本人に万が一の出来事があった場合にも、残された家族の生活費や借入金の支払いの一部をまかなうことができます。
備えるべきリスクを選び、保障内容が被らないよう加入する保険を検討しましょう。
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